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思い出の みち

あとわずかの在任

内閣広報室から小泉総理のメルマガ最終号が配信され小泉総理5年間の
御礼メールに感激しました。
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[らいおんはーと ~ 小泉総理のメッセージ]

● 5年間ありがとうございました

 小泉純一郎です。

 5年前の6月から始まったこの小泉内閣メールマガジンも、今週が最後に
なります。

 就任以来、毎日、総理大臣の職責をいかに果たしていくかを考えながら、

「天の将(まさ)に 大任(たいにん)をこの人にくださんとするや
     必ずまずその心志(しんし)を苦しめ、その筋骨を労せしむ。」

という孟子の言葉を胸に、全力投球してきました。

 話し合ったり、相談したり、専門家の知恵を借りたりすることは必要です
が、重要な決断は一人でしなければなりません。時には、友情や好みを捨て
て非情にならなければならないときもあります。

 24時間公人として、何かあったらいつでもすぐに対応できるように、5
年間精一杯努力してきました。

 この間、メルマガ読者のみなさんをはじめ多くの国民から、あるときは厳
しいご批判を、あるときは暖かい激励をいただきました。みなさんからの声
がどんなに励みになったかわかりません。

 就任直後の所信表明演説で、私は「わたしに課せられた最重要課題は、経
済を立て直し、自信と誇りに満ちた日本社会を築くことです。同時に、地球
社会の一員として、日本が建設的な責任を果たしていくことです。」と訴え
ました。

 民間や地域の方々が「痛みに耐えて」改革に取り組んだおかげで、日本経
済も回復軌道にのり、人々は自信を取り戻しはじめたと思います。日本政府
は、日米同盟と国際協調を外交の基本に、国際社会の責任ある一員として世
界の平和と安定のために努力してまいりました。

 一人の平凡な人間がここまでやってこられたのは、多くのみなさんのご支
援、ご協力があったからこそです。

 徳のある人は才能がない、才能ある者は徳がない、といわれますが、私は
自分では気の弱い普通の常識人だと思っています。

 ただ、いつも何かに守られている、運がいいな、と思いながら、何とか頑
張ってきました。

 昨日、安倍晋三さんが自民党の新しい総裁に選ばれました。安倍さんは、
メルマガの初代編集長。小泉内閣の官房副長官、自民党幹事長、幹事長代理、
そして官房長官として、ずっと改革を支えてくれた、気心の知れた方です。

 26日に新しい総理大臣が選ばれる予定です。私は、総理を退いた後は一
国会議員として、新総理を控えめに支えていこうと思っています。

 現在の私の心境を短歌に託してみました。

 「ありがとう 支えてくれて ありがとう 
             激励 協力 只々感謝」

 メルマガ愛読者、そして国民のみなさん、5年間ありがとうございました。

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[ご愛読感謝特別寄稿]

(編集部注)先週号に引き続き、小泉内閣5年間の出来事や小泉総理との思
     い出について、各界の方々からお寄せいただいた"ご愛読感謝特
     別寄稿"を掲載いたします。


● 郵政民営化が切り拓いた政治空間
  (21世紀政策研究所理事長 田中直毅)

 小泉首相には郵政三事業の民営化を日本の政府部門の縮小、再編に結びつ
けたいという強い願望がございました。郵政三事業という「魔の森のカギを
開けるのが民営化だ」という捉え方です。

 まず第一には株式会社法制のもとにおく措置です。これで郵政三事業につ
いて政治権力からの遮断が実現します。政府が100%の株式保有のままで
あれば、株主席は財務省理財局からのたった一人です。しかし「企業価値」
の向上という視点からの発言においては、理財局員といえども選ぶところは
ありません。

 IPO(株式の売り出し)となれば、状況はさらに原理的になります。郵
政三事業の根っこのところにあったレント・シーキングと呼ばれる地代あさ
りの行為は決定的な制約下に置かれることになり、付加価値創造の経済活動
を軸として、業務が組み直されざるをえないのです。

 こうしたかつての官業が覆った分野への民営化の導入は、政府の役割の明
瞭な絞り込みにつながり、民営化は、"キレ"のよい政府づくりに直結します。

 「公社は民営化の一里塚」とは小泉首相の表現です。日本郵政公社の誕生
によって、事業としての合理化は確かに進みました。しかし公社化だけでは
不十分でした。合理化による費用の切り詰めは民間企業では当然のことです。
これにより、競争上の優位を手にし、現場の働き手にも雇用の安定、賃金、
報酬の改善という成果が実感できます。

 ところが公社体制のままでは、合理化により仕事はきつくなるだけ、自己
の労働環境の改善のための投資の拡大もない、との不満が広がります。日本
郵政公社の生田総裁が民営化関連法が審議された2005年の通常国会で
「民営化賛成」の旗色を鮮明にされたのには、仕事の現場における合理化の
手詰まりがあったと見るべきでしょう。「公社のままでは限界」との認識の
表明です。

 郵貯、かんぽという二つの金融部門を切り出し、銀行法と保険業法のもと
に置く、という民営化法の枠組みへの固執も小泉首相の決意の固さを示すも
のでした。財務の健全性の確保と利用者保護とを図るには、これ以外のいか
なる形態も認められなかったといえましょう。結果として日本の金融から特
殊要因はすべて消えるはずです。

 世界の資本市場の一翼を強力に支える主体としての日本の本格的登場に道
を拓くのが郵政民営化の実現でした。

 年金基金の成長を通じてその後の生活設計を立てるというのが日本人全員
に要請されている中で、資本市場をできるだけ健全にしかも透明なものにし
て、多くの人がここに参加し、透明なかたちで金融資産価格形成が行われる
ということが極めて重要です。高齢者予備軍にとって、これで勤労時の年金
の拠出高が年金の受給時において十分に報われる可能性が開かれたわけです。

 小泉首相が切り拓いた政治空間についての評価は、やがて歴史がこれを評
価するものと思われます。

※ 執筆者の紹介
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2006/tanaka_n.html
by hiro-hiro1935 | 2006-09-24 17:47